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言語 JA

中央値絶対誤差(高校生向け)

入門高校生

03.2.7 高校生向け

中央値絶対誤差(高校生向け)

最終更新 2026-11-01 読了時間 1 分
まとめ
中央値絶対誤差(MedAE)は、予測と実際のズレの絶対値を小さい順に並べて、真ん中をとった値です。MAE が「ズレの平均」なら MedAE は「ズレの中央値」で、平均は 1 つの大外れに引っぱられますが、中央値は順位の真ん中しか見ないのでほとんど動きません。「半分のデータはこの値以下のズレに収まる」と読めるので、典型的な誤差を伝えるのに向いています。その代わり、大外れが何件あるかは数字に現れないため、MAE や RMSE と並べて使います。

こんな場面を想像してみよう #

文化祭で 7 つの部活が模擬店を出し、それぞれ来場者数を事前に予測しました。実際の人数とのズレ(絶対値)を並べると次のとおりです。

部活ABCDEFG
ズレの大きさ(人)23142303

F 部だけ、テレビで紹介されたせいで予測が 30 人も外れました。「予測はだいたいどのくらい外れたか」を 1 つの数で言うと、どうなるでしょう。平均(MAE)を取ると \((2+3+1+4+2+30+3)/7 = 45/7 \approx 6.4\) 人です。中央値(MedAE)は、小さい順に 1, 2, 2, 3, 3, 4, 30 と並べた真ん中なので 3 人になります。

7 部のうち 6 部は 4 人以内に収まっているのに、平均の 6.4 人はどの部にも当てはまらない数になっています。F 部の 30 が平均を引っぱったからです。中央値の 3 人なら「ふつうはこのくらい外れる」という実感に合います。

数直線の上にズレの大きさを 7 個の点で打つと、6 個は左側にかたまり、1 個だけ右の遠くにあります。平均はその遠い点に引きずられて右へずれますが、中央値は「左から 4 番目の点」なので、かたまりの中にとどまります。

仕組み:並べて、真ん中をとる #

まず、各データで「実際 − 予測」を出して絶対値をとります。散布図なら点から直線までの縦の長さです。次に、そのズレを小さい順に並べます。ここが MAE とのちがいで、MAE は足して 7 で割るだけで並べません。最後に真ん中を選びます。\(n\) が奇数なら中央の 1 個、偶数なら中央 2 個の平均で、これが MedAE です。

ここで F 部のズレを 30 から 100 に大きくしてみます。並べたときの真ん中は 3 のままですが、MAE は \(115/7 \approx 16.4\) に跳ね上がります。ズレの大きさの箱ひげ図を描くと、箱の中の線が MedAE です。F 部の 30 は、ひげのはるか外側に 1 点だけ飛び出した外れ値として描かれ、線(モデル)を少し動かして各部のズレが 1 人ずつ変わっても、箱の中の線はゆっくりしか動きません。

動かして見てみよう #

下の図で「再生」を押すと、説明した手順が 1 つずつ進みます。手順ごとの説明は図の下に出ます。

気をつけたいこと #

最初の注意は、大失敗が隠れることです。MedAE が 3 人でも、残りの半分に 30 人級の大外れが何件あるかは分かりません。「最悪どのくらい外れるか」が大事な場面(在庫切れ、医療)では RMSE や最大誤差も見ます。二つ目は、データが少ないと値が飛び飛びに変わることで、7 個しかないと 1 個の値が変わるだけで真ん中の順位が入れかわります。三つ目は、MedAE を最小にする直線は、ふつうの回帰直線とちがうという点です。最小二乗法の直線は 2 乗のズレを最小にしているので、MedAE で評価するなら、外れ値に強い別の引き方(ロバスト回帰)も検討します。

やってみよう #

最初の課題は、上の表に H 部(ズレ 5 人)を加えて 8 部にし、MedAE を計算することです。偶数個のときの真ん中のとり方(中央 2 個の平均)に注意してください。二つ目は、自分のクラスで「登校にかかる時間の予想と実際」を 10 人分集め、ズレの絶対値の平均と中央値を比べる課題です。寝坊した人が 1 人いると、どちらがどれだけ動くでしょう。三つ目は、「平均 3 人・中央値 3 人」のズレの組と、「平均 10 人・中央値 3 人」のズレの組を自分で作ってみる課題です。後者には 30 人級の大外れが混ざっていないか考えてみましょう。

つぎに読む #

scikit-learn での計算と、MAE・RMSE との使い分けの表は 標準版の中央値絶対誤差 で扱っています。平均で測る 2 つの指標は MAE・RMSE(高校生向け)、ズレではなく「ばらつきを説明した割合」で見る指標は 決定係数(高校生向け) へ進んでください。数式を 1 つも使わずに読むなら 中央値絶対誤差(中学生向け)、指標の一覧は 回帰の評価指標 にあります。