04.3.3 高校生向け
曜日別の平均をバーで確認(高校生向け)
こんな場面を想像してみよう #
学校の近くのコンビニが、7 か月(210 日)分の毎日の売上を記録しています。折れ線にすると 1 週間ごとに上下をくり返すギザギザの線になりますが、「何曜日がいちばん売れる?」「日曜はほかの曜日より本当に低い?」と聞かれると、210 個の点を曜日ごとに目で追うのは無理です。
そこで、**月曜の 30 日分、火曜の 30 日分……**と同じ曜日の値を集めて平均し、7 本の棒にします。
7 本のうち土曜の棒がはっきり高く、日曜の棒がいちばん低いことがすぐわかります。折れ線では毎週のギザギザにしか見えなかったものが、「週のどこで高く、どこで低いか」という形になりました。棒の上の黒い I 字は、その曜日の 30 日分の値の散らばり(標準偏差)です。
仕組み:曜日ごとに集めて、平均とばらつきを出す #
まず、210 日分の値それぞれに曜日のラベルをつけます。これで「月・火・水・木・金・土・日」の 7 グループに分かれ、1 グループあたり 30 日分になります。次に、グループごとに平均を計算します。これが棒の高さで、「たまたま多かった日」「少なかった日」は 30 日の平均の中で薄まり、その曜日に共通する水準だけが残ります。さらに、グループごとに標準偏差を計算して誤差バーの長さにします。同じ曜日でも値が毎週ばらつく曜日は I 字が長く、30 日とも似た値の曜日は短くなります。
最後に、棒の高さの差と誤差バーの長さを比べます。土曜と日曜の棒の差が誤差バーよりずっと大きければ、「土曜は日曜より高い」は毎週ほぼ成り立つクセです。差が誤差バーの範囲に埋もれるなら、たまたまかもしれません。クセがはっきりしていれば、売上を予測するモデルに「何曜日か」を入力として加えると当たりやすくなります。
動かして見てみよう #
下の図で「再生」を押すと、説明した手順が 1 つずつ進みます。手順ごとの説明は図の下に出ます。
気をつけたいこと #
最初の落とし穴は祝日で、「曜日」と関係なく動きます。月曜が祝日の週は、月曜の値が土日に近づくので、祝日を除くか別グループにしてから平均をとると、曜日のクセがきれいに出ます。二つ目は、誤差バーが重なる程度の差は偶然かもしれないことです。火曜と水曜のように棒の高さが近く、I 字が重なっている組は「差がある」と言い切れません。三つ目は強いトレンドで、売上がどんどん伸びていると、どの曜日も「前半は低く後半は高い」ので誤差バーが長くなります。先にトレンドを取り除いてから集計します。四つ目は、平均 1 つだけでは分布の形がわからないことです。「毎週ほぼ同じ 82」と「大当たりと不発が半々の 82」は平均が同じでも別物なので、曜日ごとの箱ひげ図で確かめます。
やってみよう #
最初の課題は、自分の 4 週間分の勉強時間(または睡眠時間)を曜日ごとに 4 個ずつ集め、平均を計算して 7 本の棒グラフを紙に描くことです。7 本のうちいちばん長い棒と短い棒はどの曜日でしょうか。二つ目は、身の回りで「曜日のクセがありそうなもの」を 2 つ探すことです。学食の混み具合、図書館の来館者、通学電車の混雑など、どの曜日が高くなるか予想してから 2 週間観察してみてください。三つ目は思考実験で、「毎週水曜に 1 回だけ大きなイベントがあった週」が 4 週のうち 1 週だけあるとき、水曜の平均と標準偏差はどう変わるかを考えます。平均だけを見ると、何を見誤るでしょうか。
つぎに読む #
groupby で曜日ごとに集計し、誤差バー付きの棒グラフを描くコードは 標準版の曜日別の平均をバーで確認 で扱っています。数式なしで同じ図を読む 中学生向けの解説 も 1 ページあります。曜日のクセを探す前に折れ線で全体像をつかむ方法は 日次データの基本プロット(高校生向け)、年の周期を分けて見る方法は 季節成分とトレンドの分解(高校生向け) で説明しています。