06.4.1 高校生向け
複数ラインの推移比較(高校生向け)
こんな場面を想像してみよう #
2 つのクラスの小テストの平均点を 5 回分くらべるとき、表で「1 回目は A 組 72、B 組 65……」と読むより、点を線でつないだほうが「A 組は 3 回目に落ちた」「B 組はじわじわ上がって差が縮まった」と物語として読めます。
下の図は標準版の例で、東エリアと西エリアの週別売上を同じ軸に重ねたものです。

図から読めることを並べてみましょう。「常に東(青)が上」「東は W2 と W4 で落ち込み、西はほぼ横ばいで少し上向き」「差は W1 の 60 から W4 の 15 まで縮まり、W5 でまた 25 に開いた」。縦軸は 1 本なので、どの週のどの線も同じ物差しで読めます。
線はこう引く #
まず横軸に時間を等間隔で並べます。W1〜W5 が同じ幅で置かれ、間隔がそろっているから、線の傾きが「1 週あたりの変化」を正しく表します。次に各系列の 5 つの点を打ち、順番に線でつなぎます。東は 180, 150, 170, 140, 160 の 5 点で、つなぐと W1→W2 で下がる線、W2→W3 で上がる線ができます。傾きの正負が増減、傾きの大きさが 1 週あたりの変化の大きさです。続いて系列ごとに色を変え、「凡例」を線と同じ色にします。青=東、緑=西とし、線の端に「東」「西」と名前を直接書けば凡例を見なくても読めます。最後に縦軸に「万円」のような単位を書き、必要なら補助線を入れます。単位(万円)を書かないと、同じ図が「人数」と誤読されることがあります。
データが変わると図はどう変わるでしょう。もし西が毎週 15 ずつ伸びて W5 に 180 になれば、緑の線は一定の傾きで右上がりになり、W3 と W4 の間で青と交差します。交差点は「順位が入れ替わった瞬間」で、折れ線グラフならひと目で分かります。棒グラフなら 10 本の棒を見比べなければ分かりません。
動かして見てみよう #
下の図で「再生」を押すと、説明した手順が 1 つずつ進みます。手順ごとの説明は図の下に出ます。
気をつけたいこと #
最初の課題は、線が多すぎることです。5 本以上を同じ軸に描くと、どの線がどれか追えなくなるので、注目する 1〜2 本だけ色を付けて残りを薄い灰色にするか、系列ごとに小さな図に分けます。二つ目は時間の間隔で、W3 のデータが欠けているのに W2 と W4 を隣に置くと、2 週間の変化が 1 週間の変化に見えるため、横軸は実際の時間の間隔を保ちます。三つ目は、縦軸の拡大しすぎです。縦軸を 130〜185 に絞ると東の上下が崖のように見えます。折れ線は 0 始まりでなくてもよい図ですが、「拡大している」ことを目盛りで示す必要があります。四つ目は単位の違う系列を重ねることで、売上(万円)と来客数(人)を同じ軸に描いても意味がなく、二軸グラフなど別の方法を検討します。
やってみよう #
まず、1 週間の最高気温と最低気温を天気予報から写し、同じ軸に 2 本の折れ線を描いてみよう。2 本の差(気温差)がいちばん大きい日はどこか、図から読み取ろう。次に、自分と友だちの 5 回分の小テストの点を重ねて描き、「交差した回」があれば、そのとき何が起きたか説明してみよう。最後に、同じデータで縦軸の範囲を「0〜100」と「60〜80」の 2 通りで描き、印象の違いを言葉にしてみよう。どちらを使うべきかは何で決まるだろう?
つぎに読む #
ax.plot を重ねる書き方と細かい設定は 標準版の複数ラインの推移比較 で扱っています。日々の細かい揺れを 7 日移動平均でならして大きな流れを見る方法は 移動平均(高校生向け) へ。数式を使わない説明は 複数ラインの推移比較(中学生向け) にあり、折れ線グラフ全体は 折れ線グラフのセクション にまとめています。