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言語 JA

回帰直線を重ねた散布図(高校生向け)

入門高校生

06.5.3 高校生向け

回帰直線を重ねた散布図(高校生向け)

最終更新 2026-11-01 読了時間 1 分
まとめ
回帰直線を重ねた散布図は、点の帯の真ん中に最も当てはまる直線 \(y = ax + b\) を引き、「横の量が 1 増えると縦の量はどれだけ増えるか」を傾きで答える図です。直線の周りの薄い帯は信頼区間で、「直線の位置がどのくらい確からしいか」を表し、点が多く密な場所で細く、端で広がります。グループごとに色分けして直線を引くと、傾きの違い=「増え方の違い」が比べられます。曲がったデータに直線を引く、1 つの外れ値に直線が引っぱられる、データの範囲外まで延ばす、が代表的な誤りです。

こんな場面を想像してみよう #

文化祭の模擬店で「気温が 1 ℃ 上がると、かき氷は何個多く売れるか」を知りたいとします。散布図で右上がりの帯は見えても、「1 ℃ あたり何個」という数は、帯の真ん中に 1 本の直線を引いて、その傾きを読まなければ分かりません。

下の図は標準版の例で、飲食店の会計額(横軸)とチップ(縦軸)を、昼(Lunch)と夜(Dinner)で色分けし、それぞれに回帰直線を引いたものです。

会計額(横軸)とチップ(縦軸)の散布図に、昼と夜の 2 グループで色分けした回帰直線とその周りの信頼区間の帯を重ねた図。どちらも右上がりで、会計額が大きいほどチップが多い

2 本の直線はどちらも右上がりで、「会計額が大きいほどチップも多い」ことが分かります。傾きを読めば「会計が 10 ドル増えるとチップは約 1 ドル増える」のような量の答えが得られ、2 本の傾きを比べれば「昼と夜で増え方は違うか」も読めます。

直線はこう引く #

まず散布図を描きます。点だけを見て帯がまっすぐか、「U 字」に曲がっていないかを確かめ、曲がっていれば直線を引く前に立ち止まります。次に帯の真ん中に直線を引きます。基準は「各点から直線までの縦のズレを 2 乗して全部足した値が最小」になること(最小二乗法)で、この直線は必ず \(x\) の平均と \(y\) の平均の点 \((\bar{x}, \bar{y})\) を通ります。続いて信頼区間の帯を描きます。もし別の 244 件のデータを集め直したら直線は少し違う位置に来るはずで、その「ありうる位置の幅」が薄い帯になり、点が密な中央で細く、点が少ない両端で広がります。最後にグループごとに繰り返します。昼(Lunch)と夜(Dinner)に分けて直線と帯を引き、色を変えて重ねます。

データが変わると図はどう変わるでしょう。相関係数が 0.9 に近いデータでは、点が直線にぴったり寄り添い、信頼区間の帯は直線とほぼ重なるほど細くなります。相関係数が 0.2 程度なら逆です。点は直線から大きく離れて散り、帯は太くなり、傾きの符号すら「本当にプラスか」疑わしくなります。さらに、会計額 50 ドルでチップ 0 ドルという 1 点を加えると、直線の右端はその点に引っぱられて下がり、傾きが小さくなります。直線は点の「多数決」ではなく「ズレの 2 乗の合計」で決まるので、遠い 1 点の影響が大きいのです。

動かして見てみよう #

下の図で「再生」を押すと、説明した手順が 1 つずつ進みます。手順ごとの説明は図の下に出ます。

気をつけたいこと #

最初の課題は、「U 字」に曲がった帯に直線を引くことです。U 字型に並ぶ点に直線を引くと「相関なし」に見えますが関係はあるので、まず散布図の形を確かめます。二つ目は、外れ値を放置することです。1 点が直線を大きく動かすので、入力ミスでないか確かめ、入れた場合と除いた場合を比べます。三つ目は、データの範囲の外へ延ばすことです。会計額 3〜50 ドルで作った直線を 200 ドルに当てても、同じ関係が続くとは限りません。四つ目は、傾きがプラス=因果と思うことです。チップを増やしても会計額は増えないように、直線は関係の向きと大きさを示すだけです。

やってみよう #

まず、散布図の基本形で描いた 10 人分のデータに、目分量で「ズレが小さそうな直線」を引き、傾きと切片を読んでみよう。続いて平均の点 \((\bar{x}, \bar{y})\) を打ち、直線がそこを通っているか確認しよう。次に、同じ点に、わざと遠くに 1 点を追加して直線を引き直し、傾きがどれくらい変わるか測ってみよう。最後に、「グループ別に直線を引くと傾きが違いそうな例」を身の回りから 1 つ考えてみよう(例:学年別の勉強時間と点数)。

つぎに読む #

sns.lmplot の使い方と多項式フィットは 標準版の回帰直線を重ねた散布図 で扱っています。直線の式の求め方と最小二乗法の考え方は 線形回帰(高校生向け) で詳しく説明しています。直線を引く前の、点だけの散布図の読み方は 散布図の読み方(高校生向け) で 120 人の例を使って説明しています。